原因は科学的
社会不安障害(SAD)にははっきりとした科学的な原因があります。「性格の問題」ではありません。
社会不安障害(SAD)のメカニズム
脳内の神経伝達物質である「ドーパミン」と「セロトニン」という2つの物質が減少することにより社会不安障害が発症します。
この神経伝達物質が減少することによって脳幹からの指令が正しく調節できなくなり、脳の外側にある「大脳新皮質」が過度に興奮してしまい、普通の人よりも緊張感や不安感が強くなってしまうのです。
こうした問題はどうして起こってしまうのでしょうか?
それには3つの原因が提唱されています。
心理的な原因
社会不安障害の患者は常に「自分の能力を低く見られているのではないか」といった恐れや、「相手に不快な思いをさせているのではないか」という不安を抱いています。
この状況が続くと、自律神経系のうちの交感神経が優位になり、人前では常に緊張した状態になってしまいます。
そうすると『自分が緊張しているのが周りの人にばれるのではないか』と恐れ、その心理によってさらに緊張が高まり、ますます社会不安障害の症状があらわれやすくなってしまいます。
つまり悪循環となってしまうのです。
そして、実際に人前で緊張して失敗すると自分自身の能力を低く見てしまい、人前でますます緊張してしまうという、まさに負のスパイラルにおちいってしまいます。
これは社会不安障害の患者の性格に由来します。
社会不安障害の患者は対人関係に敏感で、劣等感をもちやすく、自分の容姿や能力に自信が無い人が多いのです。これが「自分の能力を低く見られているのではないか」といった恐れや、「相手に不快な思いをさせているのではないか」という不安を抱く原因となっているのです。
こうした心理的な原因が第一に挙げられます。
遺伝的原因
社会不安障害の患者の近親者(親、きょうだい等)も社会不安障害を患っている確率が高くなっています。ただし、わかっているのはそこまでで、両親やきょうだいが社会不安障害の患者ではなくても発症してしまう人がいるため、今後の研究が待たれます。
環境的原因
社会不安障害の患者の親はあまり社交的ではないタイプの人が多く、引っ込み思案な親の姿をみてそれを子どもが学習してしまうケースがあります。
また、過保護に育てられたり、反対に厳しく育てられすぎた場合にも「ストレスをうまく処理する」ことを学ぶ機会が少ないために社会不安障害にかかってしまう場合が多くあります。
また、「とても恥ずかしい思いをした」という、過去の経験が発症の引き金になる例もあります。
このように社会不安障害の発症となる原因はいくつかのものが合わさっており、はっきりとは特定できません。また、たとえ原因を特定できたとしても社会不安障害が治るわけではなく、医師の適切な治療が必要となります。
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