SSRI(パキシル)の副作用で攻撃性が増す?
2009年5月、厚生労働省が「抗うつ薬服用で攻撃性が増す疑いがある」という見解をあらわしました。
私も社会不安障害(SAD)の治療の一環として【パキシル】というSSRIを服用しています。ゆえにこのニュースを取り上げないわけにはいきません。
■抗うつ薬服用で攻撃性増す症状、厚労省が注意改訂へ
抗うつ薬を服用した患者に、他人に突然、暴力をふるうなど攻撃性が増す症状が表れたとの報告が約40件寄せられたため、厚生労働省は8日、「調査の結果、因果関係が否定できない症例がある」として、使用上の注意を改訂することを決めた。
対象となるのは5製品で、うち4製品はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)と呼ばれる。
厚労省などは、SSRIなどの薬を服用し、他人を傷つける行為が実際にあった35件と傷害などにつながる可能性があった4件について調査。パキシル(SSRI)など3製品を服用した4件について、「他人を傷つける行為との因果関係を否定できない」と評価したうえで、ほかの2製品も含めた改訂を決めた。
そううつ病のうつ症状やアルコール依存症などがある場合、その多くは薬を処方されたことで、症状が進んで攻撃性が増し、傷害に結びついた可能性があることが分かった。
新しい使用上の注意では、症状の悪化があった場合には、薬を増やさず、徐々に減らして中止するなどの慎重な処置を行うよう求める。
SSRIは、従来の抗うつ薬よりも副作用が少ないとされ、うつ病治療に広く使われている。国内でも100万人以上が使用していると推定されている。
※2009年5月8日 読売新聞より記事を引用
結論から言えば、確かに『ごく一部の患者に』そのような副作用があらわれることはあります。
しかし、これは以前から医学会では知られていたことであり、SSRIの副作用の一つとしてすでに認知されています。あらためてさわぐようなことではありません。
また、「タミフルの副作用」が一時期話題になったのと同じように、
マスコミはこうした問題を誇張して報道する傾向があるようです。
厚生労働省が問題にしているSSRIの副作用は国内で100万人とも言われている服用者のうちの『ほんのわずかな患者に』あらわれるものであり、通常の治療で私たち患者がこうしたSSRIの副作用を気にすることはありません。
「ごくわずかに起こり得る副作用」を気にしてこうしたSSRIを服用するのをさけようとすることは「SADを治療する」という本道を見誤ることになり、本末転倒であると言えるでしょう。
医師の指導の下で適切な服用を心がけていれば問題が起こることはまずありません。
仮に治療中にそうした副作用があらわれたと思われる場合はただちに医師に相談し、その指示に従ってください。
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☆『人前に出ることが苦手』な人へ
2009年6月9日 追記
「SSRI 攻撃性」、「SSRI 副作用」というキーワードで当サイトにお越しになる方がずいぶん多いので追記をしておきます。
改めて言いますが、確かに一部のSSRIに攻撃性が高まる可能性があることは指摘されていますが、国内で100万人とも言われる服用者のうちの極一部に起こる可能性があるに過ぎません。
また、マスコミはこういった問題を極端に報道する傾向があり、全てのSSRI服用者の攻撃性が増すかのような誤解が広がりつつあることは非常に残念です。
さらに言うと、マスコミだけの責任ではありません。これは私も含めてですが、「インターネット」という存在はどうしてもネガティブな情報の部分を強調してしまうきらいがあります。
私のようなサイトをもつ「情報発信者」が「閲覧者」に対して、あるものごとで「ポジティブな部分」と「ネガティブな部分」の比率を「50:50」で伝えたとしても、閲覧者は「ネガティブな部分の『50』」の方が強烈に印象に残ってしまいます。
これは人の心理でもあるので仕方の無い面もあるかとは思いますが、「インターネットの負の面」だと思います。
今回の「SSRIの副作用で攻撃性が増す可能性がある」という報道に関して言えば、「国内で100万人とも言われる人たちがSSRIによってどんなに救われているか」という事実を忘れて、その「副作用の面」ばかりが強調されることはまことに残念であると言わざるを得ません。
『私たちの気持ちを理解してほしい』とは言いませんが、「私たち精神的な病をもつ人たちはそれぞれに苦しんでおり、SSRIによって少なからず救われている」という事実があることは理解していただきたいと思います。