最悪の精神状態②:社会不安障害(SAD)治療体験記

最悪の精神状態②

社会不安障害(SAD)の治療を開始してから私は必ず病院に一人で行き、診察を受けていました。

しかしながら、『食欲』『感情』『睡眠欲』という、人間の基本となる全てのものを失った私には一人で病院へ向かうことはできませんでした。

初めて母に連れられて行った病院。家族とは言え、自分が精神的な病にかかっていることはなるべく表に出したくありませんでした。父も母もなるべく私の社会不安障害のことにはふれずに日々を送ってくれ、私もなるべく表に出さないように振舞ってきました。

その一線だけは越えないように、家族には私がどこの病院に通っているかは全く話しませんでした。しかし、今回ばかりは無理でした。

母に腕をかかえられるようにしてついた病院。

もう慣れたはずの光景なのにもかかわらず、全くこの世に生きている気はしませんでした。見慣れた待合室が地獄のようにさえ見えたのです。

診察の順番がまわってきて、いつもの医師の方と対面しました。やはり精神科の先生であるからか、自分から口を開こうとしない私の変化に気づいてくれました。

『落ち着いて、ゆっくりで良いですよ』と言われ、私はようやく仕事で大きな失敗をしたこと、『食欲』『感情』『睡眠欲』といった全てのものを失ったことを話しました。

先生も心配してくださり、色々と励ましの言葉をかけてくださったのですが、今となっては『それはストレス反応で一時的なものです。薬を強いものに変えれば必ず徐々に快方に向かいます』と言われたことだけを覚えています。

そして、『デプロメール』『プリンペラン』、 『デパス』の3種類であった薬から、

『ドグマチール50mg』
『アモキサンカプセル25mg』
『ゼストロミン錠0,25mg』
『メイラックス1mg』
『パキシル10mg』
『デプロメール50mg』

という薬の構成になりました。

その日からさっそく服用を開始し、徐々に効果があらわれ、1ヵ月後の再診察の時には食欲も戻り、眠ることもでき、喜怒哀楽といった感情もかなり戻りました。

医師の方も一安心してくれ、『このままの薬でもう少し様子をみましょう』と言われ、私の体は完全に快方に向かいました。

『食欲』『感情』『睡眠欲』といった基本的なものがこれほど嬉しいものだと再認識させてくれる数ヶ月でした。

そして同時に、精神的な病は適切な治療で必ず快方に向かうことができるということを再認識させてくれる期間でもありました。

社会不安障害は必ず治療できます。

今回の事件でどん底の精神状態になった私ですが、このことを再認識できただけでも私には嬉しかったです。

薬の効能



『ドグマチール50mg』=神経を調節したり、気持ちを楽にして意欲を高めます。また、胃腸の血液の流れを良くして、胃粘膜を修復します。食欲を高める作用もあります。

『アモキサンカプセル25mg』=憂鬱な気分を改善し、意欲を高める薬です。

『ゼストロミン錠0,25mg』=寝つきを良くしたり、途中で目が覚めるのを防ぎます。

『メイラックス1mg』=不安、緊張、ストレスなどを和らげる薬です。眠れないときにも用います。

パキシル10mg=憂鬱な気分を楽にしたり、不安を和らげます。パニック障害や強迫性障害にも用います。

『デプロメール50mg』=憂鬱な気分を改善する薬です。強迫性障害や社会不安障害にも用います。


※これらの薬には副作用も含まれるため、必ず医師の指示を守って適切な服用を心がけてください。

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